スーパーなどでは年中売っているが、お盆の頃から八百屋に待ちに待った露地物のミョウガが並ぶ。季節のものはその季節に食べるという主義で、しかも徹底的に味わうというのが方針だから、我が家ではこのところ毎日ミョウガが食卓に並ぶ。冷や奴、そうめん、ミョウガと削り節、玉子とじ、さらに軽く塩漬けにしたもの、梅酢に漬けたものといろいろだ。トウモロコシも季節感があって好きだが、ゆでるか焼くぐらいしかないので、味のバラエティのうえでミョウガには及ばない。
ミョウガが出回る少し前まではラッキョウだった。「今年はこれで終わり」と八百屋から言われるまで買い込んでは、軽く5%ぐらいの塩水につけた塩ラッキョウを食べ続けた。その前はタケノコだった。そこで我が家では、ミョウガ・ラッキョウ・タケノコを季節の食べ物御三家と呼んでいる。
パクチーをのぞいてハウス栽培のものなどにはほとんど食指が動かない。野菜や果物を食べるということは季節を食べることだという固い信念があるからだ。しかし本当の理由は、季節の食べ物はなんと言ってもお酒にぴったり合うということがこの背景にあるからかもしれない。
忘れていた。御三家には及ばないが、谷中も加えておかなければならない。