天然の生ナメコの季節になった。家人は季節の食材を手に入れるのには天才的な嗅覚があり、先週に続いてきょうも天然の生ナメコを仕入れてきた。驚くほどの量で、しかも驚くほどの安い値段だ。手間がかかるが、さっそくひとつひとつ丹念にゴミを取り除き、キノコの根っこの部分を落としてナメコ汁とナメコおろしにした。
うまいのはもちろんだが、季節そのものを味わう楽しさを満喫した。タケノコ、ラッキョウ、ミョウガが季節の食べ物御三家だと以前このブログに書いたが、きょう、この天然の生ナメコを忘れていていたことに気づいた。季節の食べ物御四家としなければならない。
スーパーなどではパックになった栽培のナメコがいつでも売っているのに、どういうわけか天然の生ナメコは売っていない。下ごしらえをして食べるまでに手間がかかるから、主婦たちには人気がないのだろう。主婦たちにとっては、季節の味の楽しみよりも手間が問題なのだろう。
ちゅるるんとナメコおろしが口に滑り込む。やや温めの燗酒が見事な味のハーモニーを奏でる。今夜も、すばらしい秋の食卓になった。