自衛隊のイージス艦と漁船が衝突したニュースがテレビでも新聞でもにぎわっている。しかし、その具体的な経過や原因を探る観点からのニュースだけだ。国民を守るのが目的であるはずの自衛隊がその日本国民の漁船を蹴散らした深層の問題にまで言及するマスコミはない。
この国のマスコミは、自衛隊は誰のために、何のためにあるのかという根本的な問題にまで突っ込んだりはしない。かといって、自衛隊がこの国のごく一部の階級や人間たちのためにだけ存在しているなどと「過激」に、あるいは「フランス流」に騒ぎ立てることもしない。
このニュースを聞きながら、改めてこの国は「ノーテンキ」な国だと思う。ノーテンキな首相が、ノーテンキな態度で今夜もテレビに登場して、今日もこの国は「平和」だ。