テレビでミュンヘンオリンピックの男子バレーの大逆転劇のことを放映していた。記憶がよみがえった。このときは友人たちと自宅で酒を飲んでいて、深夜にテレビを見ていた。もう終わりだなと見るともなく見ていると、南が登場して大逆転劇が起こった。友人と一緒に興奮したこの夜のことを昨日のことのように思いだした。そして、このほかの記憶に残る大逆転劇も思い出した。
そのひとつは、高校生の頃だったのか大学生の頃だったのかはっきりしない。バスに乗って家に向かっていたときの記憶だ。当時の地方の路線バスは車内でラジオ放送を流したりしていた。甲子園大会。もうこれで終わりだろうと思った9回裏に5点差だったか6点差だったか忘れたが、報徳学園が同点に持ち込んで大逆転劇を演じたのだった。運転手も乗客もみんなで興奮したことを思い出した。
もうひとつ。これもいつの頃かは定かではない。家の自分の部屋でラジオを聞いていた。対戦相手は覚えていないが、巨人の樋笠が9回裏に登場して、代打逆転さよなら満塁ホームランを打ったのだ。おそらくこのような出来事はプロ野球史上でこれしかないだろう。このときは寝つけないほど興奮した。
僕の記憶に残る大逆転劇はこの三つだ。最近はこのように興奮する大逆転劇に出合っていないことに気づく。