世の中やマスコミは冬季五輪の話題で浮かれているように見えるが、僕の最大の関心事はトヨタ問題だ。プリウスだけでなく、問題はカローラにまで広がった。きょうのWebのニュースではトヨタ社長が重い腰を上げて、米公聴会の招致を受け入れることを表明したと報じている。はじめは米公聴会には現地法人の社長が出席すれば十分だと考えていたトヨタの社長ほか幹部も周囲の情勢からついに社長が出席と決断したようだ。あまりにも遅い決断としか映らない。
経過を思い起こすと、トヨタの対応は常に後手後手で、僕はその態度にいらいらしてきた。プリウスの問題が明らかになった当初は、「ブレーキの不具合ではなく、運転者の感覚の問題だ」と突き放すような態度で記者会見したトヨタの幹部の表情はにやけているように見えて驚いた。
トヨタの現場ではこの問題に気づいていた人間もいたのではないだろうか。それらの意見は封じ込められたのか、それとも気づいた人間の頭の中に閉じこめられたのだろうか。それともこの問題に気づいていた人間はいなかったとしたら、巨大組織が「世界のトヨタ」という看板に慢心していたということだろう。
「おごれるひとも久しからず」という平家物語の冒頭がまた思い浮かんだ。自民党の没落、JALの経営破綻に続いて今度はトヨタの凋落の始まりのように僕には思える。この問題がどのように決着するのか、しばらく目が離せないだろう。