先週末、用があって仙台へ出かけた。土曜日は時間が空いたので、街を歩いた。青葉通りを西へ向かって行くと「良覚院丁庭園」という表示板が出ていたので行ってみると、庭園の中の茶室「緑水庵」ではコンサートが開催されるようだった。予約なしでも聴けるということなので茶室に入った。バイオリン2台とチェロのトリオのコンサートで、ハイドンの「弦楽トリオのためのディヴェルティメント第12番変ロ長調」のほか、ポピュラーな曲も含めて小曲が8曲。聴衆は50人ほど、座布団に座って聴く。障子を開け放った外には新緑の庭。空気は冷たかったが、弦楽の響きと凛とした冷たい空気との不思議な調和を感じさせた。
コンサートのあと足を伸ばして宮城県美術館へ。この美術館は館内にある佐藤忠良記念館が好きで機会があるたびに訪れている。忠良さんの作品はストレートに僕の感性を刺激する。みずみずしく清冽な女性像、あどけなさと純真さに包まれたこども像、その人の持つ個性と本質を見事に表現した頭像など、どれも像の前に立つと釘付けにされる作品ばかりで、何度足を運んでも見飽きることはない。作品の一部はたまたま川越市立美術館の「佐藤忠良展」に出展していて見ることはできなかったが、不満を感じることはなかった。
コンサートと美術館。この日の仙台は文化の香りに包まれているような感じだった。