東京に暮らしてかなり長い年月が経った。東京に出てくる前の田舎の暮らしよりも東京での暮らしが3倍ぐらい長くなった。「ポータル東京」で東京を紹介するためあちこちを訪ね歩いたが、前回の「二度と行きたくない場所」の続きで「また行きたい場所」をあげてみよう。そうすると、僕の場合なんといっても筆頭は浅草だ。
東京には江戸の面影や名残をとどめているところが少なくはないが、1900箇所たずね歩いて思うのは、東京=江戸=浅草ということになるのがきょうまでの結論だ。もちろんこのポータル東京で紹介している1900カ所以上を歩いた人は多いだろう。その人たちには別の見方もあるだろう。しかし、僕には浅草がもっとも江戸の面影を残している街ということになり、すなわち東京らしい街ということになるのだ。
東京といえばお台場やレインボーブリッジ、六本木ミッドタウン、新宿超高層ビル街などを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、これらの街が着目されるようになったのはわずかここ数十年のことでしかない。江戸以降の長い歴史を考えると、僕の場合は東京=浅草という結論になる。外国人観光客にもっとも人気のある街が浅草であるのも、なんとなく納得できるのだ。浅草にはとくにいいレストランや飲み屋があるわけではない。しかし、近々また行きたいところだ。地下鉄銀座線に乗って上野を過ぎると、胸がときめいてくるのだ。