昨日バンコクから帰国する際に、ホテルから空港までタクシーを利用した。泊まったホテルと契約しているタクシーを呼んでもらったので、心配ないだろうと思った。
ホテルを出発すると、運転手はメーターを倒していなかった。まともな顔をした男だったが、「ノー、メーター。500バーツ」と言う。どうやらメーター制の料金ではなく、高速道路通行料も含めてきりのいい料金をふっかけてきたらしい。バンコク市街の中心部にあるそのホテルの場所から空港まではせいぜい230バーツ(約700円)ぐらいが相場だし、それに高速料金は70バーツだ。午前3時半という早朝だったので、一瞬、僕は深夜の特別料金かと思った。
この時、家人が即刻叫んだ。「高すぎる!」
僕も「メーターを倒せ」と叫んだ。
さらに家人は「ホテルへ戻れ!」と叫び、車内に表示してあったタクシーの番号を指さして「ナンバー、ナンバーを控えて!」と僕に叫ぶ。
運転手は渋々メーターを倒して走る。家人はそれでも「ホテルへ戻れl」と叫び続ける。英語は通じなくても、男は僕らの怒鳴り声と「ナンバー」という言葉に反応したのかもしれない。
メーターを倒したのだからもういいだろうと家人をなだめた。高速料金をだましたり、お釣りをよこさないタクシーに乗った経験もあるので、きっちりとはじめの料金所で45バーツ、次の料金所で25バーツを運転手に手渡した。運転手は卑屈な態度でその都度レシートを家人に渡した。
空港に到着して、20%ぐらいのチップを含めた料金を支払うと、またしても運転手は少し驚いたような卑屈な態度でそれを受け取った。バンコクのタクシーは油断ができない。
家人はその後でも「許せない」と息巻いていた。