テレビのインタビューなどで「~かなと思う」という表現をよく耳にする。決して「~と思う」「~だと思う」と断定して言わずに、半疑問文の形で話す人が圧倒的に多い。多分自分の意見に自信がないからだろう。これは欧米のようにディベートの訓練をされてこなかったせいだろう。特に女性に多いような気がするが、男性でもかなりいる。むしろ「~だと思う」とはっきり自分の意見を述べる人は皆無だといってもいいように思える。日本の国語教育はダメだなと思う。
もうひとつ気なる表現。「~させていただきます」という表現が多すぎる。たぶん「させていただく」という言葉は謙譲語であることを知らないのだろう。例えば、電車の車掌が「ドアを閉めさせていただきます」という使い方は間違い。乗客に対してへりくだっている意味では許せないこともないが、ここは「ドアを閉めます」が正しい。謙譲語はもともと相手や第三者の許可を受けて行う場合に使う言葉(目上の者が目下の者に対して使う場合もあるが、ここではのぞく)であって、車掌がいちいち乗客の許可を受けてドアを閉めるわけではないから間違いということになる。
自分のことを振り返ってみると、国語が必修だった小・中・高を通じてこのような正しい国語の教育を受けたことはないことに思い当たる。日本の国語教育はなってないと思わないわけにはいかない。そして、このような表現を聞くたびに嫌だなと思う。