伊集院静の『大人の流儀』シリーズを読んで影響された。落語を聴いてみようという気になったのだ。そこでまず、図書館で古今亭志ん生のCDを3枚借りてきた。1枚聴いたが、あまり面白いとは思わなかった。僕は日本の古典芸能には興味関心が向いていない人間なのかもしれないと思った。
ふと、気が向いてYouTubeで落語を聴いてみようという気が起きた。YouTubeならCDとは違い、単に耳から聞くだけでなく噺家の仕草や表情を見ることもできる。古今亭志ん生はあまり面白いとは思わなかったので、古今亭志ん朝を試しに視聴してみた。「井戸の茶碗」と「宋珉の滝」を視聴したら、これが面白い。志ん朝の簡潔な身振り・手振りではあってもその一挙手一投足に引き込まれる思いがした。
これまで、落語にはあまり興味がなかったが、食わず嫌いだったと思った。そして、落語は決してCDなどで聴いて楽しむものではなく、寄席に出かけて行って聴いて初めてその面白さが分かるのだということに気づいたのだった。