次々に花が咲き競う季節になった。梅、桃、桜と代表的な花の開花が続くが、その間隙を縫うようにコブシが花を咲かせ、レンギョウが一斉に咲き始めた。コブシは、その豊かな花とつぼみ群を逆さまにしたら、まるで豪華なシャンデリアのようだ。一連の花の季節は、この後、白とピンクのハナミズキが僕の散歩道を彩るまで続く。
仕事のことを考えたり、何かを考えながら歩くと風景は見えないということにきょうは気づいた。頭の中をいったん工場出荷時のデフォルトのような状態に戻して、外を歩く楽しみを味わった。花の美しさ、再びそれに出合えた喜び・・・。ヴィヴァルディの「春」が聞こえてくるようだった。
こんな日は、酒がうまい。お銚子にレンギョウの花びらをひとひら浮かべればよかった。