明日から旅に出るというのに、肉離れはいっこうに回復の兆しがない。1週間を過ぎているので、少しは痛みが残っていてもなんとかなるかも知れないという淡い期待は吹っ飛んだ。仕方がない、空港やホテル内の移動は車椅子の世話になるしかないだろう。車椅子で海外旅行をするという得難い体験をすることになるわけだ。
これまでは旅行の際には必ずノートパソコンを携行していたが、今度ばかりは荷物を減らす意味もあって持って行かないことにした。ダイアルアップ接続でしかインターネットに接続できなかったころは、悪戦苦闘して接続するのが楽しみでもあったが、最近はホテルの部屋にLANの端子があるのが当たり前になってしまって、おもしろみがなくなったのも今回ノートパソコンを持って行かないことにした理由のひとつだ。ホテルのコンピュータが使えれば、日本語のメールを送ることはできなくてもWebメールでメールを受信することはできる。
一方、パソコンはないが、今回は国際ローミングサービスを利用して海外で携帯電話を使ってみるという楽しみがある。また、「肉離れ」と「車椅子」という英語を知らなかったので、これらの英語はきっと必要になるだろうから頭に入れた。はたして、どんな旅になるのだろう。不自由な体でも、旅に出ることはやはり楽しい。日常性からの一時的な脱却に過ぎないとしても。