電車で秋葉原を通ると、初めて東京に出てきたころをときどき思い出す。なぜかと言えば、そのころは秋葉原という地名を「あきばはら」としか読めなかったからだ。そして、関連して御徒町や日暮里、等々力、狸穴、角筈なども読めなかったことを思い出す。
僕の読みでは、御徒町は「ごとちょう」だったし、日暮里は「ひぐれざと」、等々力は「とうとうりょく」、狸穴は「たぬきあな」、角筈は「かどはず」だった。今でもなぜ狸を「まみ」と読むのか、謎のままだ。
そこで国語辞典を引いてみた。「まみ」の漢字は「狸」ではなく、見たこともない漢字だ(JISコードにはないので、コンピュータで表示させることはできない)。意味は「たぬきの異称」とあった。
読みが難しい地名は多い。よく考えてみれば、東京の難しい地名はもっとあるかもしれない。