「お酢、買わなくちゃ」と家人が言った。「お麩」ということばもときどき耳にする。以前から気づいてはいたのだが、「お酢」はどうして「酢」だけではだめなのか、「お麩」は「麩」ではだめなのか。そういえば「お昼」や「お三時」などという言い方もある。奥ゆかしく優雅な響きを感じるが、僕には使えない。多くの男たちも同じだろう。
接頭語の「お」は特に女性が好んで使う傾向があるのかもしれないと気になって、「女ことば」というキーワードでWebで検索したらいろいろある。
そこで知ったことは、女ことばは「歴史的社会的に作られてきたものである」(『「女ことば」はつくられる』中村桃子、ひつじ書房)という学術的な説や、「テメエ、ざけんじゃねえよ!」と女子高校生がしゃべっているのを聞いたことがあるから、女ことばは消滅しつつあるという説など、実にさまざまだ。
男ことばと女ことばが存在するということは、「ひょっとしたら日本語に特有のお現象なのかしら」ときょうは思ったのでございます。