昨日、家人からマスク着用の指示を受けた。鬱陶しいので人混みの中に出たときにだけ着用しようと思った。街を歩くときょうは自然に人々のマスク着用の状況に目がいく。マスクをしている人はいるのだが、少ない。20人に1人ぐらいのように見えた。まだまだ、一般市民の間にはインフルエンザに対する危機管理が行き渡ってはいないことが分かる。
マスクをしている人としていない人を漠然と観察したが、すぐ飽きたので、今度はそのマスクの形態を観察した。家人が用意した強力マスクは鼻から額のほうへ鋭角にとがっているのだが、街行く人々の間ではあまり見かけない。昔ながらのガーゼの小振りなマスクのおばあちゃんもいた。ふむ、ふむ。僕のマスクは先進的なのだなと納得した。
ふと、若い母親の乳母車のデザインに対するこだわりのことが思い浮かんだ。乳母車の些細なデザインにこだわって、自分の乳母車のほうが優れていると分かると、他人に対して優越感を覚えるのだそうだ。僕のマスクも些細なデザインの違いだけでしかなく、これらの若い母親と同じではないかと思ったら、とたんにマスクをしているのがいやになった。
このようなことを本末転倒というのだろう。