近頃気にいらないのは、どこへ行っても「○○市歴史散策コース」とか「○○区文学と歴史の散歩道」などという表示が道ばたにあることだ。需要があるから設置するのか、それとも単なるお節介なのか、どちらが先なのかは分からない。不思議なのはこのような「案内」に沿って歩いたりする人も結構多いらしいということだ。
僕の場合はコースまで懇切丁寧に示されたりしていると、逆に反感を覚えてしまう。行きたいところに自分で選んだ道を通っていきたいと思い、いちいち指図しないでくれと言いたくなる。目的地へ向かって、そこへどのようにたどり着くかということ自体が、たとえそれが近隣の街での小さな「旅」ではあっても、旅の最大の楽しさではないのか。
したがって、僕はそのような「親切な」コースに従って歩くことはない。だから国内でも海外でも旅行会社が設定した旅を買うことなどは決してない。そのような旅は効率的ということかもしれないが、決められたコースを無駄なくたどって行くことなどはナンセンスとしかいいようがない。これは人生にもいえることだろう。あらかじめ敷かれているレールを歩くだけでしかない人生なんて耐えられないではないか。
設定されたコースに沿って歩くこと、誰かに連れて行ってもらって旅をすること、このようなことは小学校の遠足で終わりにすべきことだろう。